親とこどものクリニックohana 小児科

親とこどもの健康相談室

胃腸炎のときの水分摂取の仕方を教えてください。

前回は腸炎に対しての「守り」の方法を説明しました。今回は「攻め」です。イギリスの有名な医学雑誌が「20世紀最大の医学上の進歩」と評したものがあります。それが「経口補水療法」であり腸炎に対する強い武器となります。多くの軽症~中等症の腸炎に対しては点滴を行うのと同じ効果があることがわかっています。要点は2つで「適切な飲み物」と「適切な飲ませ方」です。適切な飲み物というのが経口補水液になります。何が違うのかというと、浸透圧や糖分・塩分の濃度が調節されており、これにより胃の通過時間が短く、腸からの吸収効率が最も良いのです。スポーツ飲料やジュース類が優れているのは味覚だけで胃や腸には優しくないのです。

飲ませ方のポイントは少量頻回です。はじめはティースプーンやペットボトルのふた(約5ml)くらいが適切です。子どもに任せてしまうと欲しいだけ飲んでしまうことがあり、動きが悪くなっている胃腸にとって強い負担となって、再び嘔吐してしまうことになります。年齢にもよりますが、ある程度は親が管理してあげることが必要です。

まずは自宅に経口補水液を常備することから始めましょう。

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